君色ノート

ノートの隅に君を描く

だけど滲んだ水彩画の

様に何故かぼやけていた

記憶の中の君はもう

どんどん遠ざかってること

気づいて僕は怖くなって

誰もいない海まで来た

君が好きだったこの場所は

潮風とさ、夕日が混ざり合って

君と同じ匂いがして今すぐ会いたくなった

もう声は届かない、波の音だけが聞こえた

真っ白なノートには、デタラメに書いた君が笑ってる

もう1度僕は君を描く

だけど足りない色ばかりで

あれとこれを混ぜてみたり

涙で少し薄めてみたり

突然の風、描きかけのページは

ちぎれ飛んで水平線の彼方へ消えてしまった

ねぇ夢で逢えたなら、それだけで良かったのにな

夢から覚めた後

今まで以上に寂しくなってた

月明かりが波に揺れて、風が僕の頬をかすめた

目を閉じれば、こんなに近くに君はいたんだね

強く強く思い描いたら、こんなにも君が溢れて

心のパレットに僕しか知らない君の色が増えてく

誰もがいつかは忘れてしまうものだとしても

今はまだこのままで

色褪せたノートをそっと閉じたんだ